▼チューリッヒに1ヶ月滞在予算の目安
チューリッヒは生活費の高さでは世界トップクラスです。どのくらい高いかというと、東京くらい。チューリッヒと東京は常に生活費の高さでトップ争いをしているのです。
ただ、実際に暮らした場合、両国で価格の高いものと安いものは必ずしも一致しません。
チューリッヒは外食や嗜好品などのいわゆる「贅沢」なものは価格が高く、また不動産も供給が十分でないこともあり割高です。東京では、あらゆる分野で高いものも安いものもあり、選択ができますが、チューリッヒではその選択幅がかなり狭いといえそうです。
実際の生活費はチューリッヒ市内の場合には一人暮らしで15~20万円程度、二人なら20~25万程度と考えておく必要があるでしょう。不動産価格が高いため、小人数で小さな物件を借りれば高くつき、家族や友人と大きな家をシェアできれば一人当たりの負担は小さくできます。
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▼チューリッヒの物価(食料品の値段で比較)
総じて北欧の物価は高く、スーパーマーケットに並ぶ商品と値札を前に立ちすくんでしまいそうです。
生活必需品である生鮮食料品から保存食品、調味料、そして洗剤やトイレットペーパーなどの消耗品まで、あらゆるものが日本価格の5割から10割増し、もしくはそれ以上の価格で売られています。
ただ、スイス系とドイツ系スーパーによる価格競争や、住民たちの国外への買い物逃亡などの影響もあり、どこのスーパーでも客を呼び返すためのセールや値打ち品などを用意しています。
週末を利用した隣国へのショッピングも楽しいイベントですが、スイス国内、チューリッヒ市内でも、まめにスーパーの棚と広告をチェックすると、ある程度食費を抑えることは可能です。
▼チューリッヒの治安と安全対策
安全面でも東京と変わりないと考えていいでしょう。もとより、裕福な国の都市なので、犯罪の発生率はそれほど高くありません。
それでも、チューリッヒ市内にも外国籍の女性が独り歩きするべきではないと誰もが認識しているエリアがあります。
また、大きな駅や乗り物内でのスリや置き引きにも注意が必要ですが、これはどこの国でも同じでしょう。
▼チューリッヒのビザの取得方法
90日以内の観光目的での滞在であれば、ビザは必要ありません。ただし、滞在日数がそれを超える場合や、12か月間のスイス滞在総日数が合計6か月を超える場合には居住許可書が必要となります。
▼チューリッヒの近くの病院、医療事情(なるべく日本語が通じる)
チューリッヒには日本語の話せるドクターや看護師のいる病院や歯科医院が複数あって安心です。ただし、物価の高い国であることから想像できるように、医療費は保険に加入していないと非常に高額になります。
居住者であれば、現地の保険に加入することができます。短期間の観光ビザでの滞在の場合には海外旅行保険への加入は必須です。保険加入が証明できないと、私立病院などでは治療を受けられない場合があります。
また、ほとんどの病院でキャッシュレスサービスは受けられず、現地では現金支払いをして、後から保険請求する形になるため、十分な現金の用意も必要です。
▼チューリッヒの交通事情、電車、バスなどのローカル移動手段
バスやトラムなどの公共交通機関が発達していて、市民の足となっています。時刻は正確、運行頻度も高く、チューリッヒ市内の市民の移動の70%を担っているといわれています。
また、近郊の都市や国までは鉄道・航空・道路のすべてで結ばれていて、ビジネスにも行楽にもショッピングにも便利です。
▼チューリッヒの主な見どころや観光スポット
歴史的建造物として見逃せないのが教会たち。「グロスミュンスター」、「チューリッヒ聖ペーター教会」、「聖母聖堂」は、いずれも1000年以上の歴史を誇っています。
街には景観を守るため高層ビルが少なく、昔ながらの街並みとして「ギルドハウス」が立ち並ぶエリアもあれば、モダン建築の粋をこらしたデザイン性の高い建物が集まる通りもあり、眼を楽しませてくれます。
ミュージアム巡りもチューリッヒの楽しみで、特に「チューリッヒ美術館」は、ピカソやムンクなど世界的にも有名なクラシック・モダンアーティストの作品を所蔵・展示しています。
また、スイスが誇る時計技術とその歴史は「ベイヤー時計博物館」で堪能できるでしょう。
▼チューリッヒの周辺にある美味しいレストランや食生活
スイスといえばチーズ、チーズといえばラクレット(チーズフォンデュ)。チューリッヒ市内にラクレット専門店は数多くありますが、「Raclette Stube」はオープンキッチンスタイルのアットホームな雰囲気が居心地良く、ランチもディナーも一人でも本場のラクレットを楽しめます。
「Zeughauskeller」は、元武器庫を改装したスイス郷土料理のレストランで、各国のガイドブックで紹介されている人気店です。いつ行っても常に満席状態なので予約してから行きましょう。スイスソーセージや牛肉の煮込み、カツレツなどがおすすめ。どれもボリュームたっぷりなので、一人だと持て余してしまうかも。大人数で分け合って食べるのがベストです。
チューリッヒでの外食は全体に高くつきます。だからこそ、親しい仲間と本当においしいお店を狙って出かけたいものです。
▼チューリッヒの住まい(アパートメント、ゲストハウス等)
チューリッヒで家探しを経験した人が口を揃えて言うセリフが「物件がない」です。もちろん街にも郊外にもアパートや家はたくさん建っていますが、頻繁に引っ越すことがないことと、契約上引っ越しシーズンが年2回にほぼ限定されているため、時期を外せば物件はなく、その時期には一斉にフラットハンティングが始まるので、ゆっくりと見て検討する余裕がないのです。
加えて、新築やリフォーム済みで便利な物件の不動産価格は驚くほど高くて手が出ないにも関わらず、古くて不便なエリアであっても競争率はそれほど低くなりません。
チューリッヒでの住まい探しは、長期滞在の場合にはじっくりと時間をかけるつもりで仮住まいを決めてから臨むか、サービスアパートメントやホテル、またはホームステイなどに絞りこむといいでしょう。
▼チューリッヒのインターネット、ネットカフェ事情
一般家庭でのインターネットはほぼいきわたっています。比較的新しい物件であれば、ネット回線がすでにひかれている場合もあります。ホテルや公共施設でもフリーWi-Fiが増えてきています。街中のカフェやショッピングセンターなどでもWi-Fi接続可能な店を見かけます。
ただ、築年数のたった物件の場合には、各戸でインターネット接続のための契約が必要になることが多いでしょう。複数の通信業者がさまざまなサービスを展開しているので、使用期間や使用量に応じて選びましょう。
▼チューリッヒの年間天気、気候
チューリッヒの気候は大陸性で変化が大きいのが特徴です。日本のように四季の変化がくっきりとしていますが、夏はより涼しく短く、その分冬は冷え込みがきつく長くなります。防寒の準備が必要です。
また、真夏の日中は30度以上の暑さになりますが、朝晩は涼しいので過ごしやすいでしょう。
▼チューリッヒの長期滞在まとめ
治安もよく、キレイで、社会福祉も整備されているため、生活全般に違和感を持つことなく長期滞在できる都市といえるでしょう。日本人の在住者も意外に多く、日本人コミュニティも存在しています。
暮らしてみたい世界の都市のトップ争いに常に参加しているチューリッヒですが、金銭面での余裕がある程度なければ、楽しく暮らすのは難しい面もあります。生活費を極力抑えたとしても一定のコストはかかってしまいます。必要とされる経済的な背景か職があったほうが、チューリッヒの良さを味わいやすいでしょう。
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